側弯症とは背骨がまがってしまう症状で、背骨のゆがみ(偏位 へんい)やねじれ(軸回旋 じくかいせん)に伴い背中が隆起したり、脊柱が弯曲する病気です。
側弯症とは(※出典:東洋大学 メディカルロボティクス研究室の発表スライド)
発症は学童期や思春期の時期で、小学校高学年から中学生までの子供たちに多いのですが、現状では小学校や中学校の健康診断で、側弯症の検査がきちんと行われてはいない模様。
「側弯症」は、大きく「機能性側弯症」と「構築性側弯症」の二つに分けられます。
機能性側弯症とは、普段の姿勢やスポーツなど今までの生活習慣によるものや、脚長差や股関節疾患などによる骨盤傾斜など、何らかの原因により一時的に生じた側弯の状態のことで、いわゆる二次的な側弯で、その原因を除くと変形は消失するものを言います。
正面のX線写真では、側弯変形がみられますが、椎体自体に回旋変形(ねじれ)や楔状変形(背骨がくさび形に変形する)はみられません。
ただし長期間この側弯変形が存在すると「構築性側弯症」に移行することもあります。
構築性側弯症とは、椎骨自体に回旋や楔状変形がみられ、椎骨の変形は側弯のある部位の頂椎(一番弯曲している部分)で最も大きく変形しています。
その中でも原因がはっきりしていない側弯症を「特発性側弯症」と呼びます。
側弯症を発症する原因はたくさんあると言われていますが、その多くは「特発性側弯症」で全ての側弯症の中でも80~90%は
この「特発性側弯症」と言われています。
その他の原因としては、生まれつきの「先天性」のものや、神経線維腫症やマルファン症候群など「症候性」のものがあります。
特発性側弯症は、最初に側弯が見つかった時期によって主に3つのグループに分けられます。
思春期特発性側弯症の病像
(※出典:慶應義塾大学 理化学研究所 2011年10月24日 思春期特発性側弯症の原因を解明、治療への大きな一歩)
またこのタイプの側弯症の90%以上は、胸椎(背骨の肋骨がつく部分)では左側に側屈(右凸)し、腰椎(腰にあたる部分)は右側に側屈(左凸)がみられます。
またこの3つのグループ以外にも、成人側弯症という、骨格の成熟や弯曲が固定した後に発症するものもあり、女性であれば閉経後、加齢によるものや、腰痛、すべり症、骨粗鬆症、脊椎不安定症などに伴って起こると言われています。
痛みや生活習慣からくる二次的側弯から、特発性側弯症という原因不明の側弯まで、側弯症も幅が広いのですが、その分類法もいまだ正確には整理されていない状態です。
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渡里 恭平
2007年に理学療法士としてのキャリアを開始。現在はPhysio Kの代表を務める。専門分野はスポーツ理学療法で、特にオーストラリアでの経験を活かし、アスリートのパフォーマンス向上とケガ予防に尽力する。様々な国際大会で選手のサポートを行い、多くのトップアスリートから信頼を得ている。