トレーニング効果はどうしても本人に依存します。
トレーニングは自分自身で行うactiveなものです。
手術や投薬はしてもらうpassiveなものです。
効果を検証するときには剰余変数が少ないほどいいわけですから、できるだけpassiveなものが優位に結果が出ます。
薬剤を投与して細菌を死滅させるなどはヒトそのものの免疫などはあまり関係あありません。
抗菌薬はターゲットの細菌にはピンポイントで効きます。
でもウイルスは抗ウイルス薬が作られているHIVや肝炎以外は薬が基本効かないので本人の免疫力に効果は左右されます。
側弯症はどうでしょうか?
手術はpassiveなアプローチですので効果はもちろん出ます。
実際に骨をいじるわけですから直接的な変化を起こして効果が出ないわけはありません。
では運動療法、トレーニングはどうでしょうか?
これはトレーナーによる指導は入りますが、行うのは本人です。
またセンターに通ってくれても週に1回ですので自宅での自主トレーニングがとても重要です。
学校の勉強と同じですね。
やってこない子はテストでいい成績は取れません。
同じ授業をしていても成績に優劣がどうしても生まれます。
効果判定は側弯トレーニングに関してはテストと似ています。
どれくらい努力したかが出るのです。
もちろん指導力も重要で、理解しづらい方法を教えられても継続でいないでしょう。
学校の先生の力量と一緒です。
トレーニングは指導者と実践者の両方のパラメーターによって効果が変わるという意味で不安定です。
理学療法という医療で行われている運動療法も明確なエビデンスはあるものはほぼありません。
側弯症では装具療法も同じくです。
装具を作成する義肢装具士の力量と装具を装着する実践者の両方が関わるからです。
でも理学療法も装具療法も保険の適応になっています。
つまり明確なエビデンスが出なくても、人道的に放っておくよりはいいという暗黙の了解があります。
細かい方法に対するエビデンスはなくても術後に早く動いたほうがいいとか、装具をしないよりはした方が良いケースがいる事実もあります。
手術のようにpassiveなものと比べると上記のものや運動療法は効果がないと判断する極端な方もいます。
でもそもそも比べること自体無理がある話です。
筋トレをして筋力がつくことは科学的です。
力学的なストレスを加え続けると骨が変形することも事実で科学です。
科学的な事実を背景にして側弯症の悪化を防ぎ、少しでも改善の方向へ進もうというのは側弯トレーニングです。
私たち指導側も技術や指導法の研鑽は惜しまず続けて行きます。
同じように側弯トレーニングを実践する方にも努力が必要です。
activeに行っていくのがトレーニングです。
勉強を何のためにするのか分からないと勉強するモチベーションが上がらないのと同じように、側弯トレーニングを行う意味をぜひ自分自身で見つけ、モチベーションを持って取り組んで下さい。
全てご自分の未来、人生のためです。
運動できる最善を尽くしてサポートします。
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