側弯症の進行にはある程度の順番があると言われています
側弯症は3次元の脊柱の変形を特徴とします。
3次元は前額面(体を前後に分ける面)・矢状面(体を左右に分ける面)・水平面(体を上下に分ける面)という3つの面で表現します。
すると、変形は前額面上では横に(側屈)、矢状面上では前に(後弯がなくなる)、水平面上では多くは側屈側に捻じれ(回旋)ます。
そしてこの歪みに順番があると言われています。
基本的にはまず矢状面が変化して胸部の後弯がなくなります。
その後、前額面上で側屈が起こり、最後に回旋が起こります。
つまり幼少期にしっかりと後弯を出しておくことが重要ということになります。
勿論遺伝性や、メラトニンの関係もありますのでこれだけで予防や進行を止めることはできませんが、後弯がなくなると変形が進んで行くことは報告されているので、まだ変形が大きく出ていない時期であれば後弯を出すことを検討することは意味があると思います。
バレエダンサーに側弯症の発生率が高いことは以前ここで紹介しましたが、バレエの特徴が胸を持ち上げて胸部の後弯をなくす姿勢であることは何かしら関係があるかもしれません。
胸部に比べ腰部は肋骨がない分よく動く部分で、腰部の変形も強くなりやすいところです。
胸部は推測ですが、もしかすると後弯がその強度を保っている鍵かもしれません。
幼少期ですとハイハイなどの手や肩甲骨を押し出す動きによって胸部は後弯位を取ります。
逆に肩甲骨を寄せた姿勢や胸を張りすぎる姿勢は後弯を減少させ、胸部の強度を低下させているのかも入れません。
猫背は悪い姿勢の代名詞で一般的にも指摘され気にされるところですが、猫背の方で強い側弯変形は少ないです。
そう考えると胸を張り過ぎることの方が注意されるべきかもしれません。
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